Mr.day36 by 恭三郎
こちらのコンテンツは柘製作所 柘恭三郎様ご協力の元掲載いたしております。
パイプの時代性
たばこを喫煙する道具としてパイプがあるが、そのパイプの素材でもっとも適しているのがブライヤーだろう。しかし、ブライヤーパイプが一般的になった20世紀初頭まではクレー(素焼き)、陶製、メシャムが中心だった。その大きな変わり目が1900年に入ってからだ。
その時代の変わり目に変化が読み取れるパイプがある。
そのパイプはメシャムでできたものだ。それは1980年代の初めロンドンの業者から見せられた彫刻のメシャムパイプだった。それまでは19世紀に作られた 作品ばかり見ていたので、そのパイプを見たときの衝撃は今でも忘れられない。それは、アールデコの時代に作られた婦人像のメシャムだった。
明らかに違うのはシャンクから琥珀の吸い口のラインがぎこちない。それまでのパイプは流れるような曲線が吸い口の末端まで流れるようにしておさまっている。このパイプの吸い口は曲がり方が急角度である。彫刻の職人の腕はたいしたものだが、吸い口がいただけない。
その理由は、ブライヤーパイプが市場に広まり、メシャムパイプはごく一部の愛好家にしか売れなくなってしまったためだろう。
パイプのシェイプを気にするメシャムパイプ作家が育たなかったのだ。また、彫刻パイプにパイプの全体的なフォルムまで気にする愛好家がいなくなったのであろう。
このパイプを見ると、絢爛豪華だっため彫刻メシャムの時代が、こ1920年代頃に終わったことがハッキリと認識させられる。
パイプの時代性を感じるパイプの1本だ。
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【店舗名】
FandM(エフアンドエム)
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